本格的ボイストレーニングで高音もミックスボイスで楽に歌える!

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ミックスボイス発声時の声帯の運動

レッスン風景ミックスボイスの自在なコントロールに必要な要素は多数あります(例えば顔のインナーマッスルや息の吸い方など)。しかしまず何と言っても、声が生まれるその場所である声帯。その声帯がミックスボイス時にどんな運動をしているのか、それを少し知っておきましょう。

声帯は、喉仏の中で水平に(前後に)横たわる一対の筋肉です。発声時は左右から合わさるように閉じ、その閉じた隙間を肺から吐かれた空気が通ることで振動します。声帯の表面はじん帯でカバーされており、じん帯の表面は滑らかな粘膜です。イメージがつかめない方は後出の【声帯断面図】と【声帯を上から見る】を併せてご覧下さい。

【声帯断面図(正面から見る)】

声帯の断面図を正面から見る声帯は長さが約15ミリから約20ミリ程度のとても小さな筋肉です。どんなに素晴らしい音圧と表現力に満ちた歌唱も、こんなに小さな「楽器」を使って歌われているのです。実は、声帯の振動だけでは輪ゴムを弾いた程度の音量しかありません。胸や頭蓋等の空間に共鳴することで初めて声として認識される音になります。ボイストレーニングの主なメニューが共鳴の発達を促す練習であるのも当然ですね。

近年、欧米の研究者の報告により、ミックスボイス時の声帯が下図のような状態になる事が知られてきました(比較して理解しやすいよう、他の発声時の状態も記しました)。

通常の会話や地声で歌う時の声帯は、全長の長さを使って振動します。一方、ミックスボイスやヘッドボイスに見られる一部分だけが振動する声帯は、振動する距離が短いため、高い周波数(高い声)が出やすくなっています。

【声帯を上から見る(図の上=本人にとっての前、図の下=後ろ】

声帯を上から見た図

ギターの演奏に例えれば、地声は解放弦(どこも押さえない)を弾いた時の音です。弦を押さえて弾くと、振動する距離が短くなるので高い音が出ます。例えれば、この状態がミックスボイスやヘッドボイスです。この声帯テクニックをショートニングと呼びます。

しかし、このようにメカニズムが知られた事でミックスボイスが容易になったかと言えば、依然としてそう簡単な発声ではありません。テレビに出たり本を書いているトレーナーでさえ、ミックスボイス理論について長々と語った後に実演してみると、自分では全然ミックスボイスを出せない人物が何人もいます。理論を仕入れるだけでこの声は出ません。自分の喉が未経験の声を、他人の喉から引き出すのは無理というものです。

地声からミックスボイスに移行すべき高さ

さて多くの皆さんは、どの高さの音からミックスボイスに入るべきか知りたがっていると思います。一般的には男声でミドルCの上のE♭辺り、女声でその上のB♭辺りと言われています。地声からミックスボイスへの切り替えは、全世界で歌唱の重要ポイントとされており、各国それぞれに名称があります。一般的にはブリッジと呼ぶ事が多く、日本語で喚声点と呼ぶ場合もあります。男声でも女声でも低めの音域を持った人がいて、彼等の喚声点は平均的な人達よりも低いです。

鍵盤上に示された各声種のブリッジ

ブリッジで突然に声質が変わるわけではありません。地声はブリッジに向けてだんだんと伸びやかに軽くなり、違和感なく滑らかミックスボイスに移行するべきです。そのためには、地声の音域内でも音の高低に応じて質感の変化を受け入れる必要があります。多くの人は低い声の出し方のまま高音までカバーしようとするため、喉が苦しくなり高音を張り上げています。地声の音域で特に注意すべきは、ブリッジ近くの3、4個の音を緊張せず普通の声量を保つ事です。女性は張り上げる傾向が男性よりは少ないのですが、ウラ声が混じって軽くなり過ぎる傾向が見られます。

こうしたブリッジ近くの絶妙なコントロールは、ミックスボイスへの扉を開く重要なカギです。この音域の仕上げが甘いために本物のミックスボイスをつかみ切れない人は多いです。この音域は特に、喉仏の位置や顔のインナーマッスルの影響を大きく受けます。喉仏やインナーマッスルを安定させ、ミックスボイスを出しやすくする練習の一つとしてお勧めしたいのがリップロールです。

今や多くの人が知る、お手軽な印象のリップロールですが、正しく行なえばかなり効果があります。ただ、正しいやり方はあまり知られていません。下のリップロールのデモ発声ボタンをクリックして確認してみて下さい。

【正しいリップロールのやりかた】

 

 よろしければミックスボイスに関するQ&Aもあわせてご覧下さい。

ミックスボイス関連のQ&Aページに行く

 

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