東京渋谷で23年続くボイトレ教室

Q 2.10 喉を開けて発声したいのですがどうすれば良いですか?

昔から定番というだけの理由で、多くのトレーナーが当然のように「喉を開けて」という一言を簡単に口にしますが、喉を開けるのは立派な高級テクニックです。

喉を開ける方法

喉が正しいフォームに収まる時、そのエリアは意外に広いです。

エリアが広い上に、その時に働く筋力バランスがとても微妙です。間違った筋肉が入り込む余地が多く、勘違いをすると声がどんどん悪くなります。喉を開けない方が良い事さえあります。

簡単な一言で喉のフォームに言及してはいけないのですが、今はカラオケブームに便乗してボイストレーニング教室が急増中なので、新人トレーナーも溢れているのでしょう。

喉については全く触れないか、触れるならキチンと丁寧に説明するのが正しいボイストレーニングです。

「喉を開けて」は「お腹から声を出して」や「声を前に出して」と並んで、トレーナーが言ってはいけない三大アドバイスの一つです。

実践してはいけない定番ヒント

喉を開けろと言われても、具体的にどこをどうすれば良いのか分かりません。具体的なコツとして、トレーナーが口にするヒントは次の三つが一般的ですが、それは実践しないことです。

1.アクビをすれば喉は開く

2.喉を開ける=喉仏を下げることだ

3.アゴを引きなさい

1・・・アクビもよほど上手に再現できないと全然不要な動きになります。あくびしただけで正しい筋肉を的確に捉えている可能性は低く、通常はただオーバーに顔が動いた感覚が残るだけです。相当に良い耳を持ったトレーナーが一緒なら、アクビが有効な場合もあります。

あくびをする猫

2・・・喉を開けると喉仏は下がりますが、あなたは今どのくらい喉を開けるべきか、喉仏はどのくらい下がるべきか、その加減が分かりますか?

喉仏を下げるという事において最大を目指してはいけません。喉仏の位置を安定させる筋力が一番強く働く方向は下ではないのです。

3・・・アゴが前に出ると、喉は開かないので確かにアウトですが、後ろに引けばセーフとは限りません。頭蓋のもっと高い位置の繊細な動きで顔全体を安定させるのが正解です。

発声の常識には迷信が多い

喉を開けて歌うのは、昔からボイストレーニングの常識です。

しかし、実際には喉を開く努力よりも、喉を締めない歌い方を覚える方が大事です。こちらの方が難しいですが、ボイストレーニングの王道であり、また近道でもあります。

喉のフォームは、ボイストレーニングの中でも最も複雑な手順となります。勘違いがあるといけないので、喉のフォームについては詳しい図解・説明を控えさせて頂きます。

一つだけヒントを言っておきますと、発声のフォームは、喉だけでなく、顔や口、胸、背中など身体のあらゆる部分が関与します。それらの筋力バランスが変わる事によって、あなたの声は劇的に変わります。良くも悪くもなり得ます。

「喉を開けて」をトレーナーが言ってはいけない理由の1つは、これを言われた人は発声のフォームは喉だけにあるように捉えてしまうからです。

ボイストレーニングの内訳

楽器プレイヤーも演奏フォームが安定した途端、抜群に上手くなります。

ボイストレーニングも声帯の運動エクササイズが半分、あとの半分は演奏フォームの練習です(私達の身体は楽器であり、私達はその楽器を演奏する演奏家です)。

先ほど言いました、喉、顔、口、胸、背中などが歌手の演奏フォームとなります。正しいフォームをつかんだ時、全ての練習が何倍もの効果を発揮します。声帯はミックスボイス獲得の最短コースを進み、自然なビブラート、声の通り、歌の表情など全てが抜群にレベルアップします。

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