本格的ボイストレーニングで高音もミックスボイスで楽に歌える!

Q 3.2 感情を込めると声がひっくり返る時があるのです

発声と共に感情が湧き起こると、呼気(吐く息)は平常時よりも強くなり、反射的に声帯も強く閉じます。呼気の力と声帯を閉じる力のバランスが釣り合えば、感情のエネルギーは声に力を与えます。

ところが、呼吸が感情の影響を受けやすいのに対し、声帯の方は影響が届きにくいため、呼気だけにエネルギーが注がれた事で、不意打ちを食らった声帯が弾かれてしまう(声帯が閉じていられなくなる)事がしばしば起こります。それで声がひっくり返ります。

突然の強い息も受け止められるよう、基礎練習によって声帯自体の適応力を上げておくのは大変良い事です。ただし、強い息を正面から受け止める耐性だけが適応力ではありません。

怒りの表情のイラスト声帯が感情エネルギーの受け取りに成功して、強い呼気を上手くさばいている時も、単に強く閉じて対抗するのではなく、声帯につながる筋肉群を色々な方向にバランス良く伸ばし、抜け道を作ることで上手く息を逃がしています。そもそも声帯の隙間を息が通るから声になるのは、今さら言うまでもない事ですね。実のところ、強い呼気に正面から抵抗すればやはり弾かれる確率が高まります。

声帯の適応力をそのように伸ばすにはちょっとした助っ人が必要です。その助っ人は、声帯と共に感情に反応し、声帯の動きをサポートしてくれる顔のインナーマッスルです。大多数の人の声帯が、呼吸筋に比べて感情の影響を受けにくいのも、顔が運動不足で声帯の動きも重くなっているからです。顔と言っても表層の表情筋ではなくもっと奥です。顔というより頭蓋内部の筋肉です。

「Q&A 3.1 滑舌よくしゃべると喉が疲れてしまいます」で、感情と母音発声について解説しております。そこでも述べていますが、口や喉ではなく、頭蓋の奥でそれらを感じ取る事が大事です。それが上手く行くと、感情のエネルギーが本来あるべき自然なバランスで各エリア(呼吸器系=呼吸筋群、発声器官=声帯、調音器官=喉や頭蓋の共鳴)に分配されます。

口や喉で発声していると、感情からはフィーリングよりも緊張ばかりを受け取ってしまいます。その緊張は当然、口と喉に掛かって来ます。

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